萩原宏久氏のトレーナーとしての矜持

萩原宏久氏は、長嶋巨人時代においてチーフトレーナーとして活躍し、多くの選手のコンディション管理を行いました。彼は単なる「あんま屋」ではなく、選手の身体と心の状態を把握し、そのパフォーマンスを最大限に引き出す役割を担っていました。

選手との信頼関係

萩原氏は選手たちからの信頼が厚く、トレーナー室では選手たちの本音を聞くことも多かったと言います。しかし、その情報は軍の機密事項にも匹敵するほど重要であり、萩原氏の口の堅さはその信頼を裏付けるものでした。

トレーナーの地位向上への情熱

萩原氏はトレーナーの地位向上にも熱心で、「トレーナーはただの“あんま屋”だと思われている。それではダメなんだ」と語り、その職業の重要性を訴え続けました。また、球団外部のトレーナーと個人契約する選手が増えることに対しては、「あんな詐欺師みたいなやつに大事な選手を任せられるか！」と怒りを爆発させることもありました。

巨人愛と退職後の姿勢

2005年に退職した後も、萩原氏は巨人との距離を置き、「今やってる球団のトレーナーに嫌な思いをさせたくないから」と語り、その巨人愛を最後まで貫きました。彼の仕事に対するプライドと情熱は、誰からも信頼される理由でした。

最高の笑顔

萩原氏の最高の笑顔は、彼のお葬式に参列した際に見ることができました。お孫さんと一緒に写っていた、やさしそうな“おじいちゃん”の笑顔は、多くの人々の心に深く刻まれるものでした。