藤本愛瑚のバレーボール代表への挑戦:中国遠征で得た自信と覚悟
藤本愛瑚が中国遠征を通じて得た自信と覚悟を語り、バレーボール日本代表としての目標に向けての歩みを紹介。

中国遠征での成長
藤本愛瑚は、2025年6月に行われた中国遠征で、自身のプレーに大きな自信を得ました。2連敗という結果ではありましたが、2mを超えるビッグマンを擁する中国チームとの対戦を通じて、フィジカルな戦い方や高さへの対処、新しいスタイルへの適応など、多くの学びがありました。特に藤本は、第1戦で10得点、第2戦で8得点を記録し、持ち前のシュート力を発揮しました。
シューターとしての自覚
「中国遠征では、自分よりもサイズもパワーもある相手に対して、シュートを打ち切ることの重要性を強く感じました。私は代表では“シューター”としての役割を求められていて、入る・入らないではなく、打ち続けることが大切だと捉えています。コーリーHCも『打たない方がリスペクトがない』と繰り返し言ってくれるので、今は迷いなく、自分のタイミングで打つことができています。以前よりも、シュートに対する気持ちの持ち方がポジティブに変化したと感じています」と藤本は語ります。
ケガからの復活
2023年11月に右膝前十字靭帯を断裂した藤本は、2024-25シーズンに本格復帰を果たしました。レギュラーシーズンでは24試合に出場し、5.71得点、2Pシュート成功率47.46%、3Pシュート成功率32.39%というアベレージを残しました。「まずは1シーズンをケガなく終えることが目標でした。これまで故障が多く、それを乗り越えるのも選手として大切な経験だと思っています。その上で、今季はより強い気持ちで得点を取りにいく姿勢を持てたのが、以前との違いです」と藤本は振り返ります。
代表としての目標
藤本は、日本代表としての目標を明確にしています。「若い頃は漠然と“いつか日本代表になれたら”と思っていましたが、現実を知る中で、その道の厳しさも実感してきました。それでも7年経ってようやくチャンスをつかめる位置まで来たという手応えがあります。ここまで来たからには、アジアカップはもちろん、最終的にはオリンピック出場を目標にしています。年齢的にも良いタイミングなので、代表に残るために全力で挑みたいです」と語りました。
母からの影響
藤本の母は、元バレーボール日本代表の山内美加さんです。バルセロナ大会、アトランタ大会と2度のオリンピック出場を経験しています。「ようやく自分自身が、日本代表という舞台に近づいたことで、母がいかにすごい選手だったのかを実感できるようになってきました」と藤本は語ります。「まだスタートラインに立ったばかりですが、ここからが本当の勝負だと思っています。年齢的にも経験を積んできた今、シーズンの流れや戦い方も見えてきました。ケガなくプレーを続けながら、さらに成長していかなければ上のレベルには届かない。だからこそ、これからは“自覚と責任”を持って取り組んでいきたいです」と決意を新たにしました。