朝乃山が大の里を意識「早く幕内に。横綱とやりたい」稽古で王鵬、豪ノ山相手に存在感示す
朝乃山が大相撲名古屋場所に向けて稽古を行い、王鵬や豪ノ山と対戦して存在感を示しました。

朝乃山が大相撲名古屋場所に向けて稽古を行い、王鵬や豪ノ山と対戦して存在感を示しました。
2025年7月4日、愛知県海部郡の部屋で、西幕下筆頭の朝乃山(31歳、高砂部屋)が稽古を行いました。出稽古に訪れた幕内の王鵬(大嶽部屋)と豪ノ山(武隅部屋)と18番相撲を取り、15勝3敗という好成績を収めました。
幕下相手に8連勝を達成した朝乃山は、関取との申し合いにも進展を見せました。王鵬には2勝3敗、豪ノ山には5勝を挙げました。朝乃山は「王鵬関、豪ノ山関が来てくれてありがたい。高砂部屋には豪ノ山関のような馬力のある力士がいない。普段できない稽古ができた」と感謝の言葉を述べました。
豪ノ山との対戦では、立ち合いから土俵際に追い込まれながらも、右を差して寄り戻すなど、左膝の故障を感じさせない動きを見せました。朝乃山は「押されて土俵際で残れたのは、本場所でもあると思う。良かった」と満足そうにうなずきました。
昨年の名古屋場所で左膝前十字靱帯を断裂した朝乃山は、手術とリハビリを経て今年の春場所に三段目で復帰しました。三段目を全勝優勝し、西幕下14枚目で迎えた夏場所では6勝1敗と好調を維持しています。関取復帰は目前です。
朝乃山は「気がつけば1年。あんなことあったんだな、と思い出します。あのケガがあったからこそ得たものは何かあると思う。前十字断裂は心が折れそうだったけれど」と振り返りました。
大関時代の不祥事で6場所休場した際も、三段目から復帰した朝乃山。「謹慎の時は1年が長かった。今回はケガ。相撲が取れない時、リハビリ、師匠とドクターとの話しあいで3月場所を迎えた。早かったですね。今回はけが明けの不安がありました。31歳の膝のケガですから。怖かったですね」と語りました。
十両復帰に向けて「一歩一歩着実に。ケガをしないように」と心がける朝乃山。それよりも幕内復帰を「早く戻りたい。横綱とやりたい」と大の里戦への意欲を語りました。大の里とは相手が新入幕を決めた番付発表後、2024年1月に向かった二所ノ関部屋での出稽古、巡業中の計2回胸を合わせたという。
富山出身の朝乃山、石川出身の大ノ里。ともに北陸同士で、朝乃山は横綱への期待も高かっただけに、意識するものはあるのだろう。5月29日に富山で優勝額除幕式が行われた際は、亡き父の墓参りも行いました。多くの思いを胸に「左足の怖さはなくしていきたい」と初日を見据えています。